ナヨクサフジ
6月上旬、河川敷を散歩していたら、
背丈の高い雑草の中に、紫のグラデーションがきれいな花が咲き乱れていました。
マメ科のナヨクサフジ(弱草藤)です。
和名 | ナヨクサフジ(弱草藤) |
英名 | Hairy vetch |
分類 | マメ科ソラマメ属の一年草、越年草 |
花の特徴 | 花の色:紫、大きさ:約1.5cm |
開花時期 | 5月~8月 |
蝶の形の花
ナヨクサフジはほとんどのマメ科の花がそうであるように、
正面から見ると蝶のような形に見える、
蝶形花(ちょうけいか)という花の形をしています。
正面からの写真がないので申し訳ないですが、
横からみた筒状の細長い形でも、マメ科の花というのがわかります。
他のマメ科の雑草
カラスノエンドウやスズメノエンドウはわかりやすいですが、
シロツメクサ、ムラサキツメクサ(アカツメクサ)、コメツブツメクサ、クスダマツメクサも、
小さい1つ1つの花は同様に蝶の形になっています。
クサフジとの違い
在来種にクサフジ(草藤)という、花の形がフジに似た雑草があり、
ナヨクサフジは、このクサフジより茎が細いため、「弱草藤」となったようです。
ただ、「なよなよしている」は漢字で「嫋々している」と書くので、
本来は「嫋草藤」なのではないかなぁと思うのですが…
花の長さ
クサフジは、花の筒の部分(爪部)と先端の開いた部分(舷部)が同じくらいの長さですが、
ナヨクサフジは筒の部分が倍くらい長くなっているので、全体的に長細いイメージになります。
花の付き方
萼の先から出ている、花を支えるための茎の部分を花柄(かへい)と言います。
(さくらんぼで言うと、実についている枝みたいな部分のことです。)
クサフジは筒状の萼の下に花柄が付くのですが、
ナヨクサフジは萼の横に花柄が付いています。
そのため、おしりが出っ張ったような感じに花が付きます。
ヒゲナガハナバチらしきものはピントが甘いですが、
この写真が一番わかりやすかったので。
葉の枚数
葉っぱは、クサフジの方が枚数が多いので密集している感じですが、
ナヨクサフジは枚数が少なく、飛び飛びに付いているイメージです。
ビロードクサフジとの違い
ビロードクサフジという種類もあり、こちらはナヨクサフジと同様に花が長く、
萼の横に花柄が付いています。
違いを見分けるポイントは以下の2点のようです。
茎の太さ
ビロードクサフジは茎が太くしっかりしています。
毛
ナヨクサフジの茎や葉にはほとんど毛がなく、あってもわずかです。
ビロードクサフジの茎や葉には、毛がしっかり生えています。